私は、AIやプログラムのドキュメント、統計の説明など、日本語でしか理解できません。
英語を眺めても、断片的な単語の意味が分かるところもありますが、全体像はつかめません。
いわゆる、「言語の壁」が立ちはだかっていて、日本語に閉じ込められているのです。

しかし、量や内容の深さ、スピード感は英語の記事にはかなわないところもあるようです。
特に Python の公式ドキュメントやライブラリの解説 は、どうしても英語が中心です。

そこで今回、DeepL API を Python から使えるようにし、WebページやPDFを翻訳してファイルに保存できる仕組み を作ってみました。


今回使ったライブラリと役割

ライブラリ やってくれること
deepl DeepL 公式SDK。翻訳APIを呼び出して、英語⇔日本語を変換できる
trafilatura Webページの本文だけを抽出。広告やメニューなど余計な部分を除いてテキストを取得
pdfplumber PDFから文字を抽出。スキャン画像は不可だが、文字として保存されたPDFなら処理可能
playwright 403エラーやCloudflareなどでブロックされるページをブラウザ経由で取得するバックアップ
pandas 翻訳した結果をCSVやParquet形式に保存して、後から検索・加工できる

実際に試したこと

例えば、Python の公式ドキュメント 「statistics モジュール」
👉 https://docs.python.org/3/library/statistics.html
を翻訳してみました。

ブラウザ翻訳

  • ページ全体の文脈を保持しているため、読みやすい自然な日本語になります。
    読むためには最適。

DeepL + Python の仕組み

  • 行単位・段落単位で翻訳するため、不自然な日本語が混ざることもあります。
  • しかし、大きな利点があります:

  • 翻訳結果を CSVやParquetに保存できる

  • 表やマークダウンに整形したり、音声化するなど自由に加工できる
  • 特定の関数名や用語だけをフィルタして抜き出せる

つまり、
👉 読みやすさはブラウザ翻訳
👉 データ活用はDeepL API

という棲み分けができるのです。


まとめ

今回の取り組みで得られたことは大きく2つあります。

  1. 英語の壁を越えて一次情報にアクセスできるようになったこと
    → もう日本語記事だけに頼らず、公式ドキュメントそのものを読める。

  2. 翻訳結果をデータとして保存・加工できるようになったこと
    → 文章をただ読むだけでなく、学習教材や検索可能なデータベースに変換できる。

特に 「翻訳済みのデータを手元に残せる」 点は、ブラウザ翻訳にはない強みです。
これは、個人学習だけでなく、チームやコミュニティで知識を共有する上でも役立ちます。


💡 今回の試みで、「英語ドキュメントをただ読む」から一歩進んで、自分の環境に取り込み、加工・再利用できる道 が開けました。
言語の壁は、もう単なるハードルではなく 「加工可能なデータの入口」 になったのです。